こんにちは、すがらです!
バンク・オブ・イノベーション(BOI)が10月21日付で大手ゲーム会社セガ(SEGA)に特許権侵害による損害賠償請求を提起したと発表されました。
メメントモリといえばCMで宣伝している回数もかなり多く、ゲームを開始すると儚げ美少女のキャラクターが無料でもらえるなどのキャンペーンを頻繁に見かけますね。
そんな人気のゲームがセガから訴えられる事態になっているなんて思ってもみませんでした。
訴えは特許侵害とのことなのですが、問題となったのはどの部分でなぜ起こってしまったのでしょうか?
また、セガはゲームプログラムの差し止めを請求しているよう。
そうなってくるとサ終(サービス終了)となるのか、どうなるのか気になりますね。
セガの特許侵害でメメモリが提訴される
【魔女の復刻予告】
— メメントモリ公式【2周年記念】 (@mementomori_boi) October 23, 2024
10/25(金)に「【聖槍の魔女】エルフリンデ」が復刻予定です!
世界を守る使命を持ちながら、
世界を滅ぼしてしまった女性。
※詳細はゲーム内のお知らせをご確認ください#メメントモリ2周年 pic.twitter.com/oFrHLoNboW
10月21日付でセガがメメントモリ運営会社であるバンク・オブ・イノベーション(BOI)を提訴したと報じられました。
メメントモリは今年2周年を迎え、『エルフリンデ』の復刻があると告知され盛り上がっていました。
そんな中で大手ゲーム会社のセガが提訴したとあって、9月にポケモンの著作権関係で話題となった『パルワールド』を思い浮かべました。
え?メメモリにセガに関係する問題ってあったの?
非常に驚きましたが、今回提訴された理由としては5つの特許侵害があったとのこと。
2023年にサービス終了した『幻獣契約クリプトラクト』にも同じ問題があったとのことで、提訴前に協議されていたのだそう。
しかしBOI側の見解がセガに受け入れられず、今回の訴訟に至ったとのこと。
何も知らずにゲームを楽しんでいた我々ユーザーにとっては「あわわ…どうなるの…」ととにかく心配な気持ちですよね。
特許侵害なぜ?どの部分?
報道では5つの特許侵害があったということですが、一体どの部分なのかが気になりますよね。
調べてみたところ、BOIの公式ホームページでお知らせとして詳しい情報が掲載されていました。
これによると、提訴されたのが2024年9月30日、訴状を受領したのが10月21日とありました。
特許番号はずらずらと示されていましたが、この特許が具体的にメメモリのどの部分にかかっているのかよく分からなかったので、実際に特許情報プラットフォーム『J-Plat Pat』からそれぞれの特許がどの部分に使われているのかざっくり調べてみました。
日本国特許第 5930111 号
2016年5月13日に登録された特許で、発明は『ゲームプログラムおよび情報処理装置』となっています。
この特許はカード形式のバトルで役立つプログラムだそうです。
本発明は操作媒体(例えば、カード)をプレイフィールド上に並べることによりカードの裏面に記憶されたカードデータを自動的に読み取ってプレイフィールド上に載置されたカードデータの組合せに応じたゲーム内容で所定のビデオゲームを進行させるよう構成されたゲームプログラムおよび情報処理装置に関する。
出典:J-Plat Pat
サッカーや野球のように役割の違うカードでチームを組んだり、自分のターンが回ってきた際、自動的に新たなカードをドローしたりするのに使われているんですね。
日本国特許第 6402953 号
2018年9月21日に登録された特許で、発明は『情報処理装置及びプログラム』となっています。
参考文献に並んでいるのは『グランブルーファンタジー』や『消滅都市』で使われていたガチャ関連のプログラムです。
ユーザーが所持する有料アイテムの消費により、複数のキャラクターによって構成されるキャラクター群の中から抽選されたキャラクターを当該ユーザーに付与する抽選ゲームを実行する情報処理装置であって、
複数種類ある前記抽選ゲームそれぞれに対応付けて、異なるキャラクター群を記憶する抽選ゲーム情報記憶部と、
ユーザーに対応付けて、各種類の前記抽選ゲームで共通して蓄積される蓄積数を記憶するユーザー情報記憶部と、
いずれかの種類の前記抽選ゲームをプレイしたユーザーの蓄積数が所定数に到達したことを条件として、当該ユーザーの蓄積数が所定数に到達した際の当該抽選ゲームに対応付けられたキャラクター群に含まれる高いレアリティを有するキャラクターの中から抽選により選択したキャラクターを、当該ユーザーに付与する付与部とを備えたことを特徴とする情報処理装置。出典:J-Plat Pat
我々がガチャを回すために購入している課金アイテムやガチャを回した回数の管理、ピックアップの確率や天井などの設定がこの部分にかかわっていそうですね。
日本国特許第 6891987 号/日本国特許第7297361 号
日本国特許第 6891987 号は2021年5月31日に登録された特許で、発明は『プログラム及び情報処理装置』となっています。また日本国特許第7297361 号は2023年6月16日に登録され、こちらは『プログラム、情報処理装置及び情報処理方法』となっています。
2つは非常によく似た特許で、残念ながら違いは分からなかったのですが、素材や合成に関するプログラムについて書かれているようでした。
コンピュータを、
プレイヤによるゲームの実行指示に応じて、当該プレイヤにコンテンツを獲得させる制御手段、
前記プレイヤによる指示によって、当該プレイヤの所有コンテンツから、互いに同一種類であるコンテンツ群をそれぞれ抽出する抽出手段、
前記抽出された各コンテンツ群から、合成元コンテンツと素材コンテンツとを自動的に選択する選択手段、
前記合成元コンテンツ毎に当該合成元コンテンツと同一種類の素材コンテンツを一括して合成する合成手段、
として機能させ、
前記選択手段は、前記抽出された各コンテンツ群から、レアリティが所定値以下のコンテンツを素材コンテンツとして選択する、
プログラム。出典:J-Plat Pat
こちらはガチャなどでダブってしまったものを自分が既に持っているものと自動的に判別し素材へ変換するなどのプログラムを指しているようです。
普段我々が当たり前にダブりが素材に変換されていくのを見て「あ〜ダブったー…」と思ってちょっとがっかりしてしまうこともありますが、実はプログラムは大忙しなんですね。
自分がその武器やキャラを持っているかどうかを判別し、その上でレアリティごとの素材に自動変換するってよく考えてみれば当たり前じゃないんですよね…!
また、合成する素材はレアリティR、Sは自動的に素材として選択し、SSRは除外するなどの処理も関わっているようです。指先一つでポイっと行っている武器強化は全部プログラムが認識して処理してくれるおかげでした。こんなところにも特許があったんですね。
日本国特許第 7411307 号
2023年12月27日に登録された特許で、発明は『情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法』となっています。
複数種類の抽選ゲームのうちのいずれかの抽選ゲームを自分の所持するアイテムを消費してプレイしたユーザに対し、当該抽選ゲームに対応付けられたキャラクタ群の中から抽選されたレアリティを有するキャラクタを付与すると共に、各種類の抽選ゲームのプレイで共通に蓄積された当該ユーザの蓄積数に、当該抽選ゲームのプレイ分の蓄積数を加算する抽選ゲーム実行部と、
当該ユーザの蓄積数が第1所定数に到達したこと及び前記第1所定数より多い第2所定数に到達したことを条件として、前記複数種類の抽選ゲームのうちのいずれかの抽選ゲームに対応付けられたキャラクタ群に含まれる高いレアリティを有するキャラクタの中から抽選されたキャラクタを、特典として当該ユーザに付与する特典付与部と、
を備え、
前記特典付与部は、
当該ユーザの蓄積数が前記第1所定数と異なる第3所定数に到達したことを条件として、前記複数種類の抽選ゲームのうちのいずれかの抽選ゲームに対応付けられたキャラクタ群に含まれる高いレアリティを有するキャラクタの中から当該ユーザが選択したキャラクタを、特典として当該ユーザに付与し、
前記第1所定数に到達したことを条件とするときのキャラクタ群と前記第3所定数に到達したことを条件とするときのキャラクタ群を一部同一にして、前記第3所定数に到達したことを条件とするときの特典として、前記第1所定数に到達したことを条件とするときの特典と同一のものも選択可能とする、
情報処理装置。出典:J-Plat Pat
この特許はガチャの天井についてのプログラムのようです。
ゲームによって仮天井の天井がある、ないもありますが、『天井まで回せばピックアップが必ず手に入るよ!』というシステムだと思います。
ちなみに筆者の弟は天井行くまで10万かかった!とか恐ろしいことをさらっと言っている時があります。自分はブルジョワではないのでとても真似できません。どこからお金が湧いているのでしょうか。
皆さんが楽しんでいるゲームは天井まで行く、あるいはキャラや武器を完凸させるまでにどのくらいかかっているものなのでしょうか?筆者は諦めが早いのでちょっと気になっています。
メメモリはサ終どうなる?
セガは今回の訴訟で損害賠償金10億円、遅延損害金のほかゲームプログラムの差し止めを求めています。
ゲームプログラムの差し止めと聞くとメメントモリのゲーム操作全体に関わってくるため、今プレイしているユーザーの皆さんは急なサ終(サービス終了)に遭う可能性も頭にちらついているのではないでしょうか。
そうなってくると、イベントなどでも課金して楽しもうという気持ちがグッと下がってしまいますよね。
バンク・オブ・イノベーションは「当社サービスが当該特許権を侵害しているとの事実は無いものと認識している」としたうえで「本訴訟がどのような結果になったとしても、必要な対策を講じることでサービスを継続する」とした。
出典:日本経済新聞
現在のところ、報道ではBOIは訴訟がどうであれサービスの提供は続けていくとしていますが、メメントモリ公式X(Twitter)などではこの件に関し一切触れていないので、この先の展開がどうなるか追いづらいのは確かですね。
また、セガが要求している損害賠償が10億とかなりの高額なのに加え、金額が明示されていない遅延損害金も加わると、会社としてかなりの大きなダメージになるでしょう。
BOIのIR情報なんかもちょっと覗いてみましたが、10億の賠償金を支払っても大丈夫!では全然なさそうです。訴訟の間にも出費はも考えると後々運営が厳しくなっていく可能性もなくはないかな…と感じました。
ともかく、今現在はサービスは続くということですぐサ終の心配はしなくてよさそうです。
まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございました。今回はメメントモリのセガ特許侵害なぜ?サ終どうなる?について調べてみました。
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